診療科紹介

臨床工学救急管理室

概要

臨床工学救急管理室には臨床工学技士と救急救命士が在籍しており、担当業務により『循環器・救急科』、『血液浄化科』、『救急救命士科』の3つの科に分かれます。

臨床工学救急管理室の組織図は下の通りで、室長を筆頭に各科幅広く業務を行なっています。宇治徳洲会病院の基本方針にもあるように、年中無休・24時間オープンで救急医療を提供し、地域の医療機関との連携を密にして、地域医療の発展に貢献できるよう、スタッフ全員で取り組んでいます。

 

組織図

 

業務紹介(循環器・救急科)

心臓カテーテル

当院の心臓カテーテル室は2室あり、両室ともバイプレーンの放射線装置を備えています。

臨床工学技士は、心臓血管内(循環器)科医師・看護師・診療放射線技師・臨床検査技師と協力し、各種検査・治療にてチーム医療を展開しています。

●虚血性心疾患

臨床工学技士は1室あたり2名の体制で、医師の補助を中心に使用機材の管理や物品出しを行っています。特に、重篤な症例では、体外式ペースメーカーをはじめ、大動脈バルーンパンピング(IABP)や経皮的心肺補助(PCPS)などの補助循環装置の準備や操作・管理を行っています。
また、夜間の緊急検査・治療には各部署の当直者・夜勤者および待機者にて24時間・365日迅速な対応をしています。

 

手術室

各科医師、手術室看護師との連携を密にし、より安全で円滑に手術を行えるようチーム医療の一端を担っています。

●心臓血管外科

人工心肺操作や自己血回収装置操作の操作・管理に技術提供をしています。手術症例は、京都府下だけではなく、大阪府や奈良県からも紹介があり、近年症例が増加しています。
また、大動脈瘤に対して低侵襲的に行うステントグラフト内挿術も積極的に施行しており、技術提供を行っています。

●泌尿器科

内視鏡手術用支援ロボット(da Vinci サージカルシステム S)や周辺機器である気腹器や電気メスなどの準備・管理を行っています。このシステムを使用した手術では、

1)手術視野が広くなる
2)出血量を少なくできる

などの利点があります。昨年は泌尿器科で18件の手術があり、今年も1例/2週の以上の割合でda Vinci Sを使用した手術があり、近年ますます増加傾向です。

また、現在は泌尿器科のみでの稼働となっていますが、今後、消化器外科や婦人科領域での使用も考えられています。

●肝臓内科

肝臓内科での肝臓ラジオ波焼灼術(RFA)におけるラジオ波アブレータ等の操作をしています。

●医療機器管理

手術室では、主に麻酔器、電気メス、シリンジポンプの点検や定期メンテナンスを行なっています。近年、手術室における臨床工学技士の需要が増えています。

 

ペースメーカー/ICD

植え込み型ペースメーカー、植え込み型除細動器(ICD)から除細動機能付心室再同期デバイス(CRTD)の植え込みや交換に立ち会っています。
また、心臓電気生理学的検査(EPS)、心筋カテーテル焼灼術(心筋アブレーション)も行っています。

 

内視鏡

光源装置や電子スコープの点検管理に加え、処置用物品の管理を行なっています。緊急検査や処置にも迅速に対応しています。上部消化管内視鏡検査および膵胆管系内視鏡検査の情報は「血液浄化科」のページにてご確認できます。

 

高気圧酸素治療

当院は、第1種(1人用)高気圧酸素治療装置にて治療を行なっています。高気圧酸素治療は非常に危険を伴うため、常に安全な治療が行えるよう、始業点検や治療中の観察をしています。
また、治療前の説明も行なっており、患者さんとのコミュニケーションを取る場としています。

 

呼吸療法

●院内ラウンド(生命維持管理装置の安全日常点検)

生命維持管理装置の安全管理のため、稼働中である人工呼吸器や補助循環装置を点検しています。異常を早期発見し、安全にME機器が稼働できるよう日々頑張っています。
現在、呼吸療法に関して呼吸ケアサポートチーム(RST)が立ち上がりつつあり、臨床工学技士の活躍の場が広がります。

 

医療機器管理

現在、院内約1000台の医療機器のデータを管理し、修理・点検、メンテナンスを行なっています。人工呼吸器を始め、輸液ポンプ・シリンジポンプ、低圧吸引器、簡易エコー装置などの中央管理を行なっており、随時貸し出しを行なっています。

 

救急搬送(ドクターカー)

近隣の病院や医院、クリニックから紹介いただいた患者さんをドクターカーにて、医師・救急救命士・事務員と一緒にお迎えに伺います。車内での急変時のサポートはもちろんのこと、必要時は緊急カテーテル検査や緊急手術に必要な情報の提供を行い、帰院時の迅速な対応を促しています。新築移転に伴い、最上階にヘリポートが設置され、ドクターヘリの受け入れもおこなっています。

 

スタッフ紹介(所持免許・認定士・所属学会)

循環器・救急科所属スタッフ:12名
臨床工学技士10名
臨床工学技師+臨床検査技師2名
認定士
3学会合同呼吸療法認定士3名
臨床高気圧酸素治療技師2名
第一種消化器内視鏡技師1名
第一種ME実力検定試験合格者1名
所属学会
日本臨床工学技士会日本医療機器学会日本人工臓器学会
日本高気圧環境・潜水医学会京都府臨床工学技士会
日本体外循環技術医学会日本消化器内視鏡技師会

 

業務紹介(血液浄化科)

血液浄化科では現在12名のMEが在籍しており、当院10階の透析センターにて医師、看護師と協力し透析業務を行っています。業務内容としては維持透析管理を主としていますが、持続緩徐式血液透析濾過や血漿交換、直接血液灌流法など急性期の血液浄化全般も行っています。当院は昨年度より救命救急センターに認定されており、下表のように多岐に渡り多くの血液浄化を行っています。

また、当院ME業務の特徴として機械操作やメンテナンス、透析液管理は勿論、看護師と協力し合い患者管理にも参加するなど、患者さん中心のチーム医療を行っています。

 

当院での主な血液浄化法

●血液透析(Hemodialysis)

〜慢性腎不全とは?〜

腎臓は体に溜まった老廃物や余分な水分を尿として体の外へ排泄する働きをしています。腎臓の働きが徐々に悪くなり、正常な状態に戻らなくなることを慢性腎不 全といいます。慢性腎不全になり、腎臓の働きが悪くなると、老廃物や水分を体の外に出す(尿)ことができなくなり、結果として尿毒症となり、生命の維持ができなくなります。

〜血液透析(HD)とは?〜

HDとは、悪くなった腎臓の代わりに体に溜まった老廃物を膜を使って血液から取り除き電解質バランスの補正等を行います。また尿の代わりに水分を除去(除水)します。

●血液透析濾過(Hemodialysis filtration)

HDは小さい物質の除去に優れていますがHFでは少し大きな物質の除去に優れています。その両方を組み合わせたのがHDFと言い、透析患者さんの合併症でもある、痒みやいらいらの改善等に効果があると言われています。

●持続緩徐血液透析濾過(Continuous Hemodiafiltration)

CHDFとは、主に状態が悪くなり急速に腎臓の機能が低下した急性腎不全等の重症の患者さんに適応とされます。血液透析は一日約4時間行いますが、CHDFは一日24時間かけてゆっくり除水や電解質の調整を行うので血液透析よりも身体への負担が少ないです。

●血漿交換(Plasma Exchange)

血液は白血球や赤血球等の血球成分と血漿成分からなっています。
その血漿成分に病因関連物質や病態を悪化させている物質を除去する必要がある場合に行うもので、PEとは体外に取り出した血液を血漿分離膜で血球成分と血漿成分に分離した後、患者さんの血漿を廃棄しその分を健常な方の血漿で置き換える治療です。主に薬物中毒や術後肝不全等に適応とされています。

●二重膜濾過血漿交換(Double filtration Plasmaphereasis)

血漿分離膜で血球と血漿に分け病因物質を含んだ血漿は廃棄し、それ以外の血漿は体内に戻す治療法です。C型肝炎ウィルス除去療法(V-RAD)は血液を体外に取り出しウィルスを吸着し、その後血液を体内に戻すという治療法です。

●血液吸着(活性炭吸着(DHP)・エンドトキシン吸着(PMX))

活性炭吸着とは、農薬や抗腫瘍薬、睡眠薬など薬物中毒が適応とされ血液を活性炭カラムに通し吸着することで薬物を吸着除去する治療です。
PMXとは細菌毒素であるグラム陰性菌のエンドトキシンが体内に入ると発熱や血圧低下等が起こし敗血症性ショックをきたします。ショック状態が続くと様々な臓器がダメージを受け生命の維持が困難になります。
このような時に血液をエンドトキシン吸着カラムに通しエンドトキシンを除去する治療です。

●白血球除去(Leuko Cyt Apheresia)

潰瘍性大腸炎等が適応とされ、血液を体外に取り出し炎症を起こす免疫細胞を血中から取り除く治療法です。

●胸腹水濃縮濾過再静注法

溜まった腹水を取り出し、濾過器で細菌や癌細胞等を除去した後さらに濾過器で除水を行い再び点滴で患者さんの体内に戻す治療です。

 

シャントエコー

当院ではシャントの狭窄部位の特定や狭窄度合いの確認、血管の走行、血栓の有無、石灰化の有無などの確認を目的とし定期的に汎用超音波診断装置(i- look25)を用いて簡易的にシャントエコーを行っています。そこで、狭窄が見つかった場合等はシャント造影やシャントPTAを速やかに行なえるように対応しています。

※シャントとは?
⇒透析を行う時充分な血液量が確保できるように動脈と静脈を体内で直接つなぎあわせた血管で、透析をするためにはなくてはならない大切なものです。

 

透析液清浄化

当院では日本透析医学会の水質管理基準を満たすよう透析液の清浄化に努め、エンドトキシンの測定・生菌の測定を毎月定期的に行っています。よりきれいな透析液で透析ができるよう力を入れています。

 

メンテナンス

当院では安全に透析が行えるようメーカーへ研修に参加し定期的に透析装置のメンテナンスを行っています。

メンテナンス講習受講機種

  • NCU-8
  • NCV-1
  • NCV-2
  • NCU-12
  • NDF-21
  • NCS-V
  • NPS-40S
  • ACH-10

 

災害活動チームの活動

毎年1回「防災を考える会」として、患者さんに向けて透析室での地震発生時の対応、災害時の食事についてなどの勉強会を行っています。また起震車による地震体験や、透析室での災害時の避難方法のVTRを作成するなど、毎年様々なイベントを考えています。

 

スタッフ紹介(所持免許・認定士・所属学会)

血液浄化科所属スタッフ:12名
臨床工学技士9名
臨床工学技師+臨床検査技師3名
認定士
透析技術認定士2名
呼吸療法認定士1名
所属学会
日本臨床工学技士会京都府臨床工学技士会日本医療機器学会

 

業務紹介(救急救命士科)

2003年、救急医療チームの一員として採用され、2008年、臨床工学救急管理室の1つの科として認められ救急救命士科が発足しました。現在は6名在席しており、24時間当直体制で院内外の様々な業務に対応しています。

 

ドクターカー搬送

当院では近隣の医療機関で心臓や大血管等に異常が見つかった場合、当院の心臓血管内科・心臓血管外科の医師と臨床工学技士の方と共に救急車に同乗し医療機関まで急行するシステムをとっております。また心臓血管内科・心臓血管外科領域だけではなく新生児領域でも出動しており、近隣の産婦人科で出生した新生児に異常が見つかった場合、小児科医師とNICUの看護師の方と共に出動しています。

車内では、血圧測定や観察、心肺蘇生法などの処置を継続しながら医師の診察介助を行い、患者の安全をより確実なものにし、車内という限られた環境の中でも医師が迅速な治療や処置を開始できるよう補助しています。

また、帰院後にスムーズに申し送りをすることで、スタッフ全員がチームとして迅速に治療に取り掛かれるようにしています。

 

救急外来(ER)

救急外来(ER)では救急車で搬送された患者に対する医師、看護師の診察及び処置の介助、各検査室への移送を行っています。
又、救急外来にはガスマスクや感染防御服がありこれらも定数管理しています。硫化水素中毒などの特殊な症例にも対応できるようにしています。搬送してきた救急隊との資器材交換の管理もしています。

 

外来予診

外来診察は基本予約・受け付け順で診察をしていますが、中には一刻を争う病気を患って来院される患者さんもいらっしゃいます。その様な患者さんを見逃さないために、当院ではトリアージ(※)を診察前に行っています。救急救命士科も看護師・外来クラークと協力し、来院された患者さんの血圧測定などを行いながら、診療開始のタイミングを見逃さないように気を配っています。また外来待合いでの患者さんの状態変化にも、いち早く気付けるようにしています。

※トリアージとは・・・最善の救命効果を得るために、患者さんを重症度と緊急性によって分別し、治療の優先度を決定することです。

 

外来診察介助

外来クラークと共に外来の診察介助に携わっています。担当医師受診予定の患者の把握や処置、診察介助、各検査への連絡及び誘導などを行っています。

 

救急救命センターでの内視鏡業務

当院救命救急センターには内視鏡装置を24時間体制で常備し、緊急上部内視鏡検査がいつでも施行可能で、吐血などの症例に対して緊急内視鏡検査が必要な病態を主訴とした救急患者さんや他の医療機関からの紹介患者さんを積極的に受け入れています。救急救命士科ではその内視鏡装置を管理しており、ファイバーなどのセッティングを行い検査を出来る準備をしています。内視鏡検査で使用される物品も毎日定数管理して不備のないようにしています。

 

院外活動〜心肺蘇生法、AED講習会

医療機関の心肺蘇生法講習や近隣の小中学校への講習会などに参加し、「いざという時」の為の対応を医師と共に指導しています。一般市民の方に一次救命処置を解りやすく指導し、いかに患者さんの予後を左右する大切な行為であるかを伝えています。また院内外で人が倒れた時対応できるように職員全員にも院内で講習を行っています。今後も定期的に講習会を行っていきます。

●心肺蘇生法・AED講習修了書

講習会終了時に救急救命士科で作成した受講修了証を発行しています。

 

症例検討会

当院ではプレホスピタルケアの重要性を考え、定期的に救急隊より搬入された症例を、救急総合診療科の医師と共に各消防署を訪問し検討する場を設けています。
現場の救急隊員の方々とコミュニケーションを図り、特異的な症例や重症症例などをピックアップして、フィードバックのための資料作りや日程の調整を行っています。

訪問回数:
2011年 24回(合計212名)
2012年 24回(合計202名)

 

ドクターヘリとのドッキング

平成24年10月より大阪府のドクターヘリが運航拡大を行い、京都府南部地域にも出動できるようになりました。

現在当院は京都第一赤十字病院に次いでドクターヘリの患者受け入れ病院に指定されており、受け入れ要請があった場合は当院の保有する救急車(ドクターカー)に救急総合診療科の医師と臨床工学技士・救急救命士が乗り込み、京都府警ヘリポートまで出動、そこでドクターヘリとドッキングしています。ドクターヘリの医師・看護師より申し送りを受け、救急車内でも処置を継続し病院まで搬送・受け入れをしています。

 

特殊災害対応

当院の救命救急センターは、これまでにも硫化水素中毒現場や宇治市炭山地区の集団食中毒現場へ医師・看護師と共に出動し活動した実績があります。特殊災害の出動に備え救急救命士科一同、常時対応できるように物品管理や知識・技術向上を目指していきます。

 

スタッフ紹介(所持免許・認定士・所属学会)

救急救命士科所属スタッフ:6名
日本DMAT業務調整員1名
京都DMAT業務調整員1名

 

採用情報

  1. 医師採用

  2. 看護職採用

公開情報

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