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認定看護師

摂食嚥下障害看護:1名(うち特定1名)



嚥下障害とは、何らかの原因で食べ物がうまく食べられなくなること全般を指し、その原因は脳血管疾患や肺疾患、がん、精神疾患など多岐にわたります。
食べることが出来なくなると、家に帰れず、施設や病院への転院を余儀なくされる患者さんは多数おり、食べることへの支援は看護師としてとても重要だと感じています。当院では嚥下障害の患者さんに対して、歯科口腔外科で嚥下内視鏡検査を行い、医師、歯科医師、看護師、言語聴覚士や管理栄養士など多職種で患者さんの嚥下障害に向き合い、食べることをあきらめない関わりを大切にしています。
また、NST専門療法士を取得し栄養サポートチームに参加し、患者さんの栄養管理にも携わっています。他には院内で摂食嚥下、口腔ケアなど相談を受け、病棟スタッフや担当言語聴覚士、歯科衛生士と解決に向けて一緒にベストな選択を考えていきます。
病棟看護師や介護士に向けた勉強会、外部の方へ向けた研修なども行い、食べられることの大切さを多くの人に知ってもらいたいと思います。




がん化学療法看護・がん薬物療法看護:2名(うち特定1名)



がん治療の1つであるがん化学療法は、治癒・再発予防・延命・症状緩和を目的に行われます。
治療の場は入院から外来へ移行しており、多くの患者さんが通院し治療を受けられています。がん化学療法は、抗がん剤をはじめ分子標的治療薬や免疫療法薬など、多くの新規薬剤が開発され、それらを併用した治療は今まで以上に治療の管理が高度化・複雑化しています。その多くを自分の所属する通院化学療法センターで担っています。
確実・安全な投与管理を行うために薬剤の知識・ケアに関する知識を常にアップデートし、正しい知識・技術を普及できるようスタッフ教育も行っています。そして科学的根拠に基づいて医師と治療方針を相談し、患者さんにとって最適な治療の提供を話し合い、その支持療法についても薬剤師と相談を行っています。
治療を受ける患者さんの症状体験を十分に傾聴し、身体的・精神的・社会的困難をアセスメントし、セルフケア能力に応じた支援を行い、生活の保持・質の向上を目標にし、治療の継続を支援しています。




緩和ケア:1名

緩和ケアは、がんと診断された時から治療と並行して行うようになりました。また、がんだけでなく慢性期疾患も緩和ケアの対象とされています。
当院では、まだ癌疾患が対象ですが、緩和ケア病棟や一般病棟のがん患者さんや家族の心や身体の苦痛緩和を目指して、他職種と協力して(緩和ケアチーム)、ケアを行っています。緩和ケアチームの活動は、週に1回非常勤Drや薬剤師とコンサルトがあった患者さんの訪問を行っています。
チームのカンファレンスには、精神科Drや薬剤師、栄養士、理学療法士、退院支援Ns、がん専門看護が参加しています。当院のがん患者さんや家族の全人的苦痛を緩和し、その人らしい療養生活ができるように努めています。




皮膚・排泄ケア:2名(うち特定1名)



当院は、深い褥瘡を有する患者さんや多発褥瘡の患者さんも多く入院されます。褥瘡対策チームの一員として褥瘡治療にあたり薬剤だけでなく外科的デブリードマンや局所陰圧閉鎖療法、皮弁形成術後のケアなど、患者さんにとってより良い状態や治療選択につながるよう支援を行っています。
また、褥瘡の早期治癒・新規発生予防に必要な体圧管理・スキンケアなどを実践し、他職種との連携も密にとっています。褥瘡以外のSSIや下肢創傷、熱傷の創傷ケアにも携わっています。ストーマ造設件数も多く、周術期から社会復帰後まで継続看護を行っています。
排尿ケアでは、2023年度に排尿ケアチームを結成し、尿道カテーテル抜去後に排尿障害のある患者さんに対し、自己導尿指導や骨盤底筋訓練指導などのケア介入や、スタッフの排尿ケアの知識・技術の底上げに取り組んでいます。
また、排便障害のある患者さんに対して、洗腸療法やアプライアンスの紹介などを行っています。ストーマや排泄障害は、QOLに大きく関わります。患者さんが抱えている不安や問題に対して、思いを大切にしながら、その人らしい生活が送れるようにサポートを行っています。




慢性心不全看護:1名



心不全は、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です。様々な心疾患がたどる終末像の状態でもあります。増悪と寛解(悪くなったり良くなったり)を繰り返しながら進行し、後戻りはできません。
しかし心不全は、病気と上手に付き合って生活していくことで、進行を予防することが可能です。
上手に付き合っていくための生活は、ご自身での日々の体調管理や食事管理、内服管理などが大きく関わります。
現在は、心臓センターで勤務し、患者さんが心不全と上手に付き合いながら、その人らしく生活を送れるよう支援を行っています。
また、患者さんの心不全の原因となった病気や、そのほかに抱える病気、生活習慣など様々な視点から考えていく必要があり、患者さんに必要な支援が提供できるよう、週に1回多職種とカンファレンスも行っています。




救急看護:3名



当院は救急搬送される患者が京都府下で一番多く、外因性疾患(外傷や熱傷など)や内因性疾患(急性疾患の発症や慢性疾患の急性増悪)の方が救急搬送されます。そうした急性期の患者さんに対する治療の介助や患者さんとご家族に対するケアが救急認定看護師としての役割になります。
救急認定看護師の勤務部署は、救命センターと集中治療室ですが、Doctor carに同乗し病院前活動も行います。
また、災害拠点でもありますのでDMATとして災害支援活動も行っています。
救急看護は急性期の病棟に限りません。急な発症や急激な変化はどの診療分野でも起こり得ます。
そうした事態に迅速に気付き適切に行動し、ケアが実践できるようにラダー教育にも取り組んでいます。




クリティカルケア:3名(うち特定3名)



救急搬送件数も多い当院では、様々な複雑な病態が絡み合い重症の方へ看護を提供しています。たくさんの生命維持装置に囲まれ、薬剤の影響で自分の訴えもままならない患者に寄り添い何を求められるかを常に考えながら「心に届く看護」の提供を目指しています。
高度化するクリティカル領域では不安をかかえるスタッフも多く、サポートできるようなラダー教育などを行い急性期看護の質の向上に取り組んでいます。
また、特定看護師として患者にとって最善を考えタイムリーに介入を行うようにしています。




精神科:1名



入院患者さんは、疾患や治療だけでなく長期入院や環境の変化から、気分の落ち込み、孤独感、苛立ちなど様々な感情にとらわれます。安楽な療養生活のためには、目には見えない心のケアも重要です。倫理観をもとに、ひとりの人として感情に寄り添った看護を提供できるように心がけています。




感染:1名

感染管理看護師の役割は、専門的知識をベースに、施設に合った効果的な感染管理プログラムを構築し、患者さんや職員など病院に関わる人を感染から守ることです。 活動内容は、耐性菌などの検出菌の状況の調査や、手術における感染の発生状況を調査する医療関連感染のサーベイランス、院内の感染防止対策の状況確認と指導を行う院内ラウンド、感染対策マニュアルづくりなど多岐に渡ります。感染対策は組織的に取り組むことが不可欠なので、すべての職員が感染対策が実践できる体制づくりが重要です。そのためには知識だけでなく、コミュニケーション能力が求められます。
そして、感染症(院内感染)は、私たち感染管理担当者だけでは防ぐことができません。病院にかかわるすべての人(患者さん、訪問者、および職員)が実践することで初めて防止できます。そのためには、地域も含めた感染症の発生を素早くキャッチし、当院の職員のみならず、病院全体として患者さんやご家族を含めた訪問者にも感染対策が実践できるよう支援しています。




手術看護:1名

患者さんは、延命や生活の質向上、新たな機能の獲得の為に、期待と不安を持って手術を受けています。手術看護認定看護師の役割は、手術を受ける患者さんの側に寄り添い、安心で安楽な環境を整えるだけでなく、安全を守り手術が円滑に遂行できるよう専門的知識と技術を提供すること、患者の手術侵襲を最小限にし、二次的合併症を予防するための安全管理(体温・体位管理、手術機材・機器の適切な管理等)、 および、周手術期における継続看護の実践です。
不安と期待を胸に手術を受ける患者さんはそれぞれ1人1人の生活背景があります。さらに同じ手術でも、患者さんによって価値観や家族の思いが異なるため、個別的な看護が重要になってきます。そこで、患者さんがどのようなゴールを持ち、手術を受けるのかを理解する必要があります。医師・看護師・臨床工学技士・検査技師・放射線技師などで構成される手術チームで、患者さんが納得し、満足できるゴールへと導くことが重要です。患者さんから「あなたが担当でよかった、安心できた」と言ってもらえるように日々患者さんのことを第一に考え、手術が安全かつ円滑に手術を終えるためのコーディネートができるように関わっています。
手術看護認定看護師として、様々な新しい知識や情報を修得し、スペシャリストとしてスタッフの実践モデルとなれるよう活動するとともに、質の高い手術室看護師の育成にも努めています。