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前立腺がん

前立腺がんについて

前立腺は男性のみにある臓器で膀胱の下にあり、精液の大部分を作っている臓器です。前立腺細胞が正常な細胞増殖機能を失い無秩序に増殖する状態が前立腺がんです。
早期の前立腺がんは多くの場合自覚症状がありません。病気が進行すると尿が出にくい・尿に血が混じるなどの症状が出てきます。また、骨に転移することがあり腰の痛みなどで初めて症状が出ることがあります。



担当する医師

検査について

1. 血液検査 : PSA

前立腺がんを早期発見する腫瘍マーカーです。また前立腺の治療効果や再発の有無を判定するのにも有用です。がん以外でも上昇することがありますので基準値を超えた場合には精査することが薦められます。



2. 画像検査 : MRI

前立腺のどこにがんがあるのか・前立腺外への広がり・周囲のリンパ節や骨への転移の有無を判定します。



3. 組織検査 : 前立腺生検

PSA、MRIにて前立腺がんが疑われる場合、前立腺に針を刺して細い組織を採取する生検が行われます。エコーガイド下の経直腸生検(1泊2日)とMRI・エコー画像融合型の経会陰生検(2泊3日)のどちらかの方式で行います。
生検のおもな合併症には出血・排尿困難・発熱などがあります。





前立腺生検の機器

前立腺生検の機器

手術について

手術では前立腺と精嚢を摘出し、その後膀胱と尿道をつなぐ前立腺全摘術を行います。開腹手術、腹腔鏡手術、ロボット支援手術がありますが当科ではロボット支援手術を行っています。がんのステージによって骨盤内リンパ節郭清、勃起神経温存を同時に行うことがあります。
おもな合併症には尿失禁と勃起障害、射精障害などがあります。



薬物療法について

1. 内分泌療法(ホルモン療法)

前立腺がんには精巣や副腎から分泌されるテストステロンと呼ばれる男性ホルモンの刺激で病気が進行する性質があります。内分泌療法は薬剤によってテストステロンを抑えることによってがんを抑える療法です。手術や放射線が難しい場合や再発、他臓器へ転移した場合などに行います。



当科で使用している薬剤

内服薬: ビカルタミド、フルタミド、エストラムスチン、エチニルエストラジオール、アビラテロン、エンザルタミド、アパルタミド、ダロルタミド
皮下注射薬: リュープロレリン、ゴゼレリン、デガレリクス



おもな合併症はほてり・肥満・骨密度低下・勃起能低下・心血管系疾患・肝機能低下などです。



2. 抗がん剤治療

内分泌療法の効果がなくなったがんに対して行います。
約2時間の点滴で一般的に初回は入院で、2回目以降は外来化学療法センターでおこないます。





当科で使用している薬剤

ドセタキセル、カバジタキセル


おもな合併症は倦怠感・食欲低下・脱毛・骨髄抑制・間質性肺炎などです。

放射線治療について

外照射

高エネルギーの放射線を体の外から前立腺に向けて照射する方法です。治療範囲と照射強度をコンピューターで制御する強度変調放射線(IMRT)により効果を高め副作用を軽減します。一般に1日1回×週5日施行で7~8週間を要します。
おもな合併症には下痢・血尿・排尿時痛などがあります。



診療実績

前立腺がん手術症例数 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年
ロボット支援腹腔鏡下前立腺摘除術 26 22 23 31 22 22


前立腺がん 放射線治療 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年
強度変調放射線治療(IMRT) 34 35 38 36 50 47

がん登録件数