看護師の特定行為および特定行為研修の包括同意について
当院では看護師が特定行為を実施しています。
特定行為とは?
看護師の「特定行為」とは、医師の指示に基づいて作成した手順書にそって、看護師が行う診療の補助行為を示します。この行為は、特定行為研修を修了し、専門的な知識・技術を身に付けた看護師が実践することができます。看護師による「特定行為」を実施するメリットは、常に患者さんのそばにいる看護師が、医療チームの一員として、患者さんの状態に応じた適切な医療を迅速かつタイムリーに提供することです。また、患者さんや家族の立場に立った説明ができ、「治療」と「生活」の両面から支援することができます。
特定行為の詳細は、厚生労働省のホームページをご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000050325.html
なぜ特定行為が必要なのでしょうか?
超高齢社会を迎え、医療資源の限界があるなか、国は今後の入院医療のあり方の見直しと在宅医療の推進を目指しています。また、病床数の削減や、医師・看護師の不足が懸念されています。このような背景の中で、多職種協働によるチーム医療の展開が必要とされ、特に看護師の役割拡大が重要な時代となりました。どのような役割かというと、難易度の高い診療の補助業務を、医師があらかじめ作成する「手順書」という指示のもと実践するという役割です。入院でも在宅でも、医師の到着を待たず、患者さんの症状に合わせて必要かつ適切な処置ができる実践能力が高い看護師が増えると、症状が悪化せず、患者さんにとっても医療者にとってもメリットが大きいと考えられます。
特定行為実施の流れ
例えば、手術後でドレーン(創部付近などの体内に留置されている管)が留置されているため、入浴をすることができない患者さんがいます。手術後の経過にもよりますが、ドレーンが抜けて問題がなければ入浴することができます。しかし、医師が緊急手術などで対応が遅くなるなど、翌日からの入浴となる場合があります。もし、タイムリーに特定看護師がドレーンを抜くことができれば、医師の到着を待つことなく早くに入浴していただくことができます。
特定看護師の印
当院の特定看護師は、このバッジを付けています。
当院で実施可能な特定行為
特定行為区分 | 特定行為 |
---|---|
呼吸器(気道確保に係るもの)関連 | 経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整 |
呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 | 侵襲的陽圧換気の設定の変更 |
非侵襲的陽圧換気の設定の変更 | |
人口呼吸管理がなされている者に対する 鎮静薬の投与量の調整 |
|
人工呼吸器からの離脱 | |
呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連 | 気管カニューレの交換 |
循環器関連 | 一時的ペースメーカの操作及び管理 |
一時的ペースメーカリードの抜去 | |
経皮的心肺補助装置の操作及び管理 | |
大動脈内バルーンパンピングからの離脱を行うときの補助の頻度の調整 | |
ろう孔管理関連 | 胃ろうカテーテル若しくは腸ろうカテーテル又は胃ろうボタンの交換 |
栄養に係るカテーテル管理(中心静脈カテーテル)関連 | 中心静脈カテーテルの抜去 |
創傷管理関連 | 褥瘡又は慢性創傷の治癒における血流のない壊死組織の除去 |
創傷に対する陰圧閉鎖療法 | |
創部ドレーン管理関連 | 創部ドレーンの抜去 |
動脈血液ガス分析関連 | 直接動脈穿刺法による採血 |
橈骨動脈ラインの確保 | |
透析管理関連 | 急性血液浄化療法における血液透析器又は血液透析濾過機の操作及び管理 |
栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 | 持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整 |
脱水症状に対する輸液による補正 | |
感染に係る薬剤投与関連 | 感染徴候がある者に対する薬剤の臨時の投与 |
血糖コントロールに係る薬剤投与関連 | インスリンの投与量の調整 |
術後疼痛管理関連 | 硬膜外カテーテルによる鎮痛薬の投与及び投与量の調整 |
循環動態に係る薬剤投与関連 | 持続点滴中のカテコラミンの投与量の調整 |
持続点滴中のナトリウム、カリウム又は クロールの投与量の調整 |
|
持続点滴中の降圧剤の投与量の調整 | |
持続点滴中の糖質輸液又は電解質輸液の 投与量の調整 |
|
持続点滴中の利尿薬の投与量の調整 | |
精神および神経症状に係る薬剤投与関連 | 抗けいれん剤の臨時の投与 |
抗精神病薬の臨時の投与 | |
抗不安薬の臨時の投与 |
看護師の特定行為および特定行為研修への同意について
当院では、特定行為研修を修了した看護師が、医師の指示に基づいて特定行為を実施しています。患者さんは特別なお申し出がない限り、その行為を受けていただくことができます。ただし、特定看護師に関するご意見やご質問がありましたら下記の窓口にお尋ねください。ご理解とご協力をお願いいたします。
特定行為に関する相談窓口
当院をご利用いただく患者さん及びご家族の皆様からの、特定行為に関するご相談やご意見を受け付けております。お気軽にご利用ください。
相談日及び相談時間
■月曜日~金曜日 10:00~16:00
■土曜日 10:00~12:00
■場所 1階 医療福祉相談室