診療科の特色
産科
地域周産期母子医療センター
当院は新生児センター(NICU)を有し、周産期医療を担う地域周産期母子センターに指定されています。
- 在胎28週、推定体重1000g以上の早産管理
- 救急救命センター、心臓センター併設の元、母体急変時の救命目的の救急母体搬送受け入れ
- 他科との共同診療による合併症妊娠管理
出生前診断
出生前診断とは妊娠中に行われる胎児先天性疾患の有無を調べる検査です。通常の妊婦健診で行われている超音波検査も広い意味での出生前診断になります。
※現在、当院ではNIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)による出生前診断は行っておりません。
先天性疾患の原因とその種類について(出典:周産期遺伝カウンセリングマニュアル)
当院で行なっている出生前診断
■確定検査
・羊水検査
妊娠16週以降、超音波ガイド下に妊娠子宮の羊水ポケットに針を刺し、羊水を20-40ml程度採取します。採取した羊水中の胎児由来の細胞の染色体を解析する検査です。当院での解析は通常FISH法とG-band法で行なっていて、染色体の数、構造に関して解析することができます。日帰り入院による検査です。
ただし、NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)を優先させる場合が多いので、その時はNIPT可能な病院に紹介させていただきます。
また、遺伝カウンセリングも事前に受けていただきます。
■胎児超音波検査(日本超音波医学会認定専門医 青木昭和医師外来予約枠内にて行なっています)
胎児の形態異常を伴う疾患に関しては専門医による詳細な胎児超音波スクリーニング検査を当院に通院されておられる妊婦様全員に行っており、致死的胎児疾患の除外や染色体疾患のリスク評価を行っています。
↓動脈管・合流部・4D
↓心臓の多断面同時表示(TUIカラー)
婦人科
悪性腫瘍
検診事業により子宮や卵巣などの婦人科臓器の悪性腫瘍の早期発見に努めております。発見された悪性腫瘍に対して、日本産科婦人科学会のガイドラインに則り、手術・放射線治療機器を用いた放射線治療・化学療法(遺伝子変異をふまえた、分子標的薬治療を含む)などを組み合わせ、集学的標準治療を行っております。さらに高度な先進医療を要する場合には、対応可能な病院にご紹介させていただきます。
良性腫瘍
子宮筋腫や卵巣嚢腫などの良性腫瘍は、できる限り患者様への低侵襲手術として腹腔鏡下手術で対応しています。過多月経を有する子宮内膜ポリープなどは、子宮鏡下手術も行っています。
骨盤臓器脱
積極的な手術加療を行い、高齢女性の生活の質の改善に努めております。
女性健康医学
思春期・更年期等の相談・対応も、積極的に行っています。
不妊治療
一般不妊治療を行っております。体外受精を含む高度生殖医療が必要な方には専門病院にご紹介させていただきます。
診療実績
入院疾病統計
指標 | 2023年 | |
---|---|---|
婦人科 | 子宮筋腫 | 69 |
子宮頚癌(CINⅢを含む) | 47 | |
卵巣良性腫瘍 | 47 | |
女性性器脱 | 44 | |
卵巣癌(卵巣境界悪性腫瘍を含む) | 40 | |
子宮体癌 | 28 | |
子宮内膜症 | 26 | |
腹膜癌 | 17 | |
産科 | 総分娩数 | 459 |
既往帝王切開後妊娠 | 63 | |
予定日超過妊娠 | 37 | |
前期破水 | 33 | |
切迫早産 | 26 | |
妊娠・分娩・産褥期の貧血 | 25 | |
妊娠高血圧症 | 19 | |
双胎妊娠 | 18 | |
胎児機能不全 | 18 | |
偽陣痛 | 18 | |
微弱陣痛 | 16 | |
流産 | 15 | |
絨毛膜羊膜炎 | 13 | |
骨盤位 | 12 | |
重症妊娠悪阻 | 11 | |
胎児ストレス | 10 | |
分娩後出血 | 10 | |
胎盤位置異常 | 7 | |
分娩停止 | 7 | |
切迫流産 | 6 |
※集計値が「6」以上を表記
手術件数
指標 | 2023年 | |
---|---|---|
帝王切開術 | 153 | |
緊急帝王切開術 | 52 | |
選択的帝王切開術 | 101 | |
全帝王切開率 | 33% | |
子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(開腹、腹腔鏡) | 127 | |
腹腔鏡下腟式子宮全摘術 | 63 | |
子宮頸管ポリープ切除術 | 50 | |
子宮全摘術 | 34 | |
子宮頸部(腟部)切除術 | 25 | |
流産手術 | 23 | |
子宮脱手術(腟壁形成手術及び子宮全摘術(腟式、腹式)) | 19 | |
子宮内膜掻爬術 | 17 | |
子宮悪性腫瘍手術 | 15 | |
子宮附属器癒着剥離術(両側)(開腹、腹腔鏡) | 13 | |
腹腔鏡下仙骨腟固定術 | 11 | |
子宮筋腫摘出(核出)術(腹式) | 8 | |
卵管全摘除術(両側)(開腹、腹腔鏡) | 8 | |
腟断端挙上術(腟式、腹式) | 8 | |
子宮頸管縫縮術 | 7 | |
腹腔鏡下子宮内膜症病巣除去術 | 6 | |
子宮附属器悪性腫瘍手術(両側) | 6 | |
胎盤用手剥離術 | 6 |
※集計値が「6」以上を表記
医師紹介
氏名 | 役職 | 専門医・認定医・その他講習修了 |
---|---|---|
青木 昭和 | 部長 | 島根大学 医学博士 島根大学 医学部臨床教授 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医・指導医 日本超音波医学会 認定専門医・指導医 日本周産期・新生児医学会 周産期専門医(母胎・胎児) 日本周産期・新生児医学会(周産期) 臨床研修指導医 母体保護法指定医 NCPRインストラクター 日本胎児心臓病学会 評議員 厚生労働省 臨床研修指導医 |
高原 得栄 | 部長 | 医学博士 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医 母体保護法 指定医 厚生労働省 臨床研修指導医 |
冨田 純子 | 副部長 | 日本産婦人科学会 産婦人科専門医 日本女性骨盤底医学会専門医 日本周産期・新生児医学会 周産期専門医・指導医(母胎・胎児) 日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構 JOHBOC E-learning セミナー受講 緩和ケア研修会 修了 厚生労働省 臨床研修指導医 |
坂東 拓人 | 医員 | 産婦人科プログラム専攻医 |
高田 秀一 | 顧問 | 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医 母体保護法 指定医 |
河邊 公志 | 顧問 | 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医 母体保護法 指定医 厚生労働省 臨床研修指導医 |