診療科の特色
地域周産期母子医療センター
地域周産期母子医療センターの指定を受けており、早産をはじめ合併症妊娠の治療・管理に力を入れ、妊婦の急変などによる救急搬入にも対応しております。特に、当院は救命救急センター、心臓センターを有しており、妊婦の急変や心臓・循環器疾患にも対応しております。また、新生児集中治療室(NICU)9床を有し、専門の小児科医による新生児への迅速な対応が可能となっています。これらは、宇治以南の京都府における地域周産期医療(妊婦・胎児・新生児への医療)の中心となっており、期待されている所です。
出生前診断
超音波専門医・指導医がエコー検査により胎児出生前診断を行っています。
胎児の心臓奇形をはじめ、内臓の形態異常についてスクリーニングから診断まで行います。出生後は小児科・小児外科の医師により円滑に新生児治療(外科的治療含む)に連携しております。
婦人科疾患
婦人科では、子宮筋腫、卵巣嚢腫や子宮・卵巣がん(早期)の治療・手術、更年期障害の治療などに取り組み、手術(経腹・経膣)治療の経験も豊富で、緊急手術にも対応しております。
教授外来
月2回のペースで島根大学産科婦人科学教授・准教授による特殊外来を行っております。特に婦人科疾患について専門的な診療・アドバイスが受けられ、腹腔鏡を中心とした低侵襲性の手術も受けられます。
診療内容・方針
親切・丁寧・迅速・正確な診療に心掛けております。
- 周産期医療の拡充(京都南部の周産期医療への支援)
- 出生前診断の充実
- 婦人科疾患(腫瘍など)への医療拡充
地域からの搬送
当院ではPICUおよびNICUを有している為、近隣の産婦人科医療機関から母体搬送や産褥搬送を受け入れ、正常分娩のみではなくハイリスク妊娠の管理を多数行っています。また正常経過をたどっている妊婦さんでもお産は何があるかわかりません。当院では産婦人科医師・小児科医師が夜間でも常駐しているため思いがけず母子が危険な状態になった際にも迅速に対応させていただきます。また、産婦人科病棟とNICUは隣接しておりますので、もしも赤ちゃんがNICUに入院になったとしてもすぐに会いにいくことができ、すぐに母乳を届けることもできます。
妊婦健診・里帰り出産
妊婦健診は予約なしでも受けることができますが待ち時間が大変長くなることがあります。
スマートフォンでの予約が可能ですので、ご活用ください。
スマートフォンでの診療予約はこちら(外部リンク:EPARKファスパ)
※スマートフォンからのみ、ご予約頂けます。
※ご予約頂くには、EPARKへの会員登録(無料)が必要です。
※産婦人科外来の日程・担当医師や休診情報についてはこちらをご確認ください。
里帰り出産をお考えの方へ
当院では分娩制限は行っておりません。妊娠経過が順調であれば妊娠9か月頃(32~35週頃)に妊婦健診を受けていた病院の紹介状を持って当院外来を受診してください。その際に当院での出産を考えていると外来医師に伝えてください。妊娠経過に異常がある方は、妊婦健診を受けている担当の医師と里帰りの時期を相談してください。
母乳育児・母児同室
当院では母児同室を行っております。退院後、赤ちゃんとは常に一緒です。退院後に育児でつまずかないように入院中にできるだけ心配なことや不安なことを解決していただきたいと考えております。
また当院では母乳育児を推奨しております。母乳育児を成功させるためには、赤ちゃんとの早期接触が大切です。母児同室で赤ちゃんと一緒に過ごすことで赤ちゃんのおっぱいを欲しがるタイミングでいつでも母乳をあげることができます。赤ちゃんのタイミングでたくさん母乳をあげることが母乳育児の成功に繋がります。ただ、たまには休憩したいこともあると思います。そのようなときには赤ちゃんを一時的にお預かりして、休んでいただくことも可能です。助産師と相談しながら赤ちゃんとの生活に少しずつ慣れ、育児を楽しんでください。
入院中のスケジュール
経腟分娩の場合
帝王切開の場合
当院でのお産
当院では妊婦さん赤ちゃんの力を信じて、できるだけ自然にお産ができるようサポートしています。
妊婦さんと赤ちゃんの生む力・生まれる力を最大限に発揮できるよう妊婦さんをご家族さんとともに助産師が近くでサポートいたします。
しかし、お産は命がけです。何が起きるか分かりません。医療介入が必要なこともあります。
突然の出来事にも産婦人科医師・小児科医師・助産師・NICU看護師と協力しながら迅速に対応させて頂きます。
当院ではLDR室ですべての分娩経過を過ごして頂きます。
LDRとは陣痛(Labor)、分娩(Delivery)、回復(Recovery)の略語で、陣痛室・分娩室・回復室が一体となった個室です。
従来のように、陣痛室から分娩室へ移動することなくゆっくり過ごして頂くことができます。
お産の立ち会いについて
当院では、お産の立ち会いについて特別な制限は設けておりません。お産される妊婦さんご自身が希望される方はどなたでも立ち会いして頂けます。事前に立ち会いのための講習などを受けて頂く必要もございません。妊婦さんが望まれる方と一緒に赤ちゃんが生まれる瞬間を迎えて頂けます。
助産師外来
当院では助産師外来を行っております。
退院後の母乳育児や、その他育児の質問などを受けております。
また、乳腺炎などの産後のトラブルもケアさせて頂いております。
妊娠中のおっぱいケアの相談にも対応しています。
予約方法
0774-20-1111(病院代表TEL)へ電話して頂き「助産師外来の予約をしたい」とお伝えください。
サービス(お祝い膳・エステ)
お祝い膳
お祝いの気持ちを込めて、お祝い膳を用意させて頂いております。
エステ
30分無料のエステのサービスがあり、下記4種からお選び頂けます。
- 上半身+デコルテケアコース(背中・肩/20分+デコルテ10分)
- 上半身ケアコース(背中・肩・腰・臀部)
- 下半身ケアコース(足裏~太もも前面・後面)
- フェイシャルコース(ローションパック付き)
さらにご希望の方には格安でマッサージの追加や時間の延長などオプションを選んで頂くこともできます。
専門のエステスタッフが、お産後の体調に合わせてオイルのカウンセリングから本格的にさせて頂きます。ぜひ、お産後の疲れを癒してください。
お部屋(大部屋・個室)
お産後は個室に入院して頂いています。個室にはシャワーとトイレがついております。
地域医療への連携
急変を伴う母体合併症の搬送受け入れに力を入れておりますので、京都南部の医療連携病院としてご利用ください。また、胎児エコーでお悩みの症例がありましたら、胎児エコー診断(心臓奇形の診断を含む)の紹介も受け付けておりますのでご連絡下さい。
一方で産婦人科・緊急手術にも順応できる体制を整えておりますので、必要時には、ご一報下さい。
医師募集のご案内
年齢制限、資格などは特に問いません。
産科・婦人科いずれかを専門とする医師でも構いません。
日直・当直は相談の上、対応させて頂きます。
クリニカルインディケーター
1.患者数
指標 | 2019年 |
---|---|
新来院患者数 | 210 |
外来患者数 | 10,533 |
新入院患者数 | 540 |
平均在院日数 | 6.9日 |
2.分娩件数
指標 | 2019年 |
---|---|
経腟分娩 | 274 |
帝王切開分娩 | 134 |
合計 | 408 |
3.疾病統計
指標 | 2019年 | |
---|---|---|
産科疾病 | ||
前期破水 | 51 | |
偽陣痛委 | 43 | |
母体骨盤器異常 | 42 | |
妊娠および産褥期貧血 | 42 | |
切迫早産 | 16 | |
羊水及び羊膜の障害 | 13 | |
双胎妊娠 | 12 | |
骨盤位 | 12 | |
婦人科疾病 | ||
卵巣腫瘍 | 25 | |
子宮筋腫 | 17 | |
子宮脱 | 11 | |
子宮頚癌 | 8 | |
子宮内膜症 | 7 | |
卵巣のう腫 | 5 | |
卵巣出血 | 5 |
4.手術統計
指標 | 2019年 | |
---|---|---|
帝王切開術 | 134 | |
緊急帝王切開術 | 36 | |
選択的帝王切開術 | 98 | |
全帝王切開率 | 32.8% | |
子宮附属器腫瘍摘出術 ※開腹・腹腔鏡 | 32 | |
子宮全摘術 ※開腹・腹腔鏡 | 25 | |
子宮脱手術 | 9 | |
悪性腫瘍手術 | 7 | |
子宮頸部(膣部)切除術 | 6 | |
子宮筋腫摘出(核出)術 ※腹式・腹腔鏡 | 6 |
医師紹介
氏名 | 役職 | 専門医・認定医・その他講習修了 |
---|---|---|
青木 昭和 | 部長 | 島根大学 医学博士 島根大学 医学部臨床教授 日本産科婦人科学会 専門医・指導医 日本超音波医学会 認定専門医・指導医 日本周産期・新生児医学会 周産期専門医(母胎・胎児) 日本周産期新生児医学会(周産期) 臨床研修指導医 日本胎児心臓病学会 評議員 母体保護法指定医 NCPRインストラクター |
高田 秀一 | 部長 | 日本産科婦人科学会 専門医 日本周産期・新生児医学会 学会員 日本産婦人科手術学会 学会員 日本臨床細胞学会 学会員 日本アロマセラピー学会 学会員 母体保護法指定医 |
河邊 公志 | 部長 | 日本産科婦人科学会 専門医 日本小児科学会 学会員 日本思春期学会 学会員 母体保護法 指定医 |
高原 得栄 | 部長 | 日本産科婦人科学会専門医・指導医 医学博士 |
黒瀬 苑水 | 医員 | 産婦人科専門研修プログラム 専攻医(島根大学基幹プログラム) |
京 哲 | 非常勤 | 日本産科婦人科学会 認定専門医 がん治療認定医・暫定教育医 婦人科腫瘍専門医・指導医 日本臨床細胞診学会 細胞診専門医・教育研修指導医 母体保護法指定医 日本ロボット外科学会 ロボット外科専門医 国立大学 教育研究評価委員 |
中山 健太郎 | 非常勤 | 日本産科婦人科学会 認定専門医 婦人科腫瘍専門医 日本産科婦人科内視鏡学会 技術認定医 日本内視鏡外科学会 技術認定医 日本臨床細胞診学会 教育研修指導医 臨床細胞診専門医 がん治療暫定教育医 がん治療認定医 マンモグラフィ読影医 乳房疾患認定医 da Vinci System 研修終了 |
太田 靖之 | 非常勤 | 日本産婦人科学会 学会員 |
竹田 善紀 | 非常勤 | 日本産婦人科学会 専門医 がん治療認定医 母体保護法指定医 NCPRインストラクター J-CIMELSベーシックコースインストラクター |
京 教授からのコメント
島根大では体にやさしい手術を常に心がけております。女性のお腹にメスを入れるのですから、傷口の大きさや見た目には非常に気を配っております。この点から内視鏡(腹腔鏡)手術に最も力を入れております。腹腔鏡手術では臍と下腹部に1-2cmの切開を2-3箇所入れ、そこから内視鏡の鉗子を挿入して手術を行います。この切開創は多くは時間とともに目立たなくなります。
早期の社会復帰も可能です(入院期間は概ね3-5日)。島根大では腹腔鏡手術には力を入れ、安全、安心な低侵襲手術を実践しております。