診療科の特色
重症化は全ての科の診療の中で発生し、その治療には、科を超えて共通する管理をICUで行うことになります。十分な酸素を取り込めなくなる呼吸の障害であれば、肺炎からでも外傷からでも薬剤の副作用からでも発生します。このような場合、速やかに人工呼吸器やECMO(エクモ)と呼ばれる血液に直接酸素を送り込む装置などを用いた治療を開始する必要があります。重症治療では、複雑な機器の運用や強力な薬剤の適切な使用など特別な管理が求められます。集中治療科は、ICUを利用する全ての科に協力して重症治療を効果的に実施できるよう業務しています。ICU病棟については紹介サイトをご覧ください。
診療内容・方針
最も重視している治療目標は、ICU治療を受けられた方々を、それぞれの生活にお返しすることです。ICU治療が終了すると、一般病棟での退院に向けた治療へと引き継ぐことになりますが、より良い状態で退院いただくにはICUでの管理が重要になります。ICUでは、単に病気や怪我を治療するだけでなく、体力の衰えを最小限に食い止め、家庭での生活基盤を整える支援をするために、栄養・リハビリ・薬剤・退院支援など各担当者がチームとして治療に参加しています。鎮静治療でご本人が覚えておられない時点から、栄養を管理し、必要なリハビリを開始しています。このようなICUでの治療目標をFamily Centered Care(家族を中心にしたケア)という標語で全スタッフが共有し業務にあたっています。
地域医療への連携
Family Centered Careに基づくICU治療が少しでも良い結果に結びつくように、ICU治療を受けられるお一人お一人の日々の暮らしまで把握されている「かかりつけ医」の先生方や医療・福祉関係の方々との連携を深め業務の充実をはかっていきます。
2022年 患者実績
科別患者数(平均在室日数:小数点第二位切り上げ)
心臓血管外科 | 349 | (6.1日) |
外科 | 88 | (5.0日) |
呼吸器外科 | 29 | (2.0日) |
肝・胆・膵外科 | 24 | (2.5日) |
救急総合診療科 | 63 | (6.3日) |
脳神経外科 | 40 | (4.2日) |
心臓血管内科 | 59 | (7.1日) |
整形外科 | 11 | (4.5日) |
内科 | 4 | (4.8日) |
小児科 | 3 | (5.7日) |
形成外科 | 1 | (3.0日) |
泌尿器科 | 6 | (1.8日) |
産婦人科 | 11 | (2.4日) |
歯科口腔外科 | 1 | (3.0日) |
耳鼻咽喉科・頭頚部外科 | 0 | (0.0日) |
合計 | 689 | (5.5日) |
入室内訳
ICU入院(ER・外来より) | 266 |
病棟からの悪化・急変 | 45 |
病棟からの予定・術後 | 378 |
ME管理機器
IABP装着患者 | 27 |
V-A ECMO装着患者 | 27 |
V-V ECMO装着患者 | 4 |
IMPELLA装着患者 | 17 |
呼吸器使用患(BiPAP含む) | 419 |
CHDF施行患者 | 50 |
HD施行患者(CHDF施行患者除く) | 19 |
PE施行患者 | 4 |
PMX施行患者 | 4 |
低体温療法施行患者 | 7 |
※ECMO装着患者数にはPCPS装着患者を含む
※呼吸器装着患者数にはBIPAP装着患者を含む
※透析施行患者数にはECUM・CHDF・DHP・PE・PMX施行患者を含む
月別新入室患者
月 | 患者数 | 平均患者数 | 平均年齢 | |
---|---|---|---|---|
2022年 | 1月 | 60 | 9.3 | 72.4 |
2月 | 57 | 9.3 | 70.7 | |
3月 | 58 | 8.8 | 70.0 | |
4月 | 48 | 8.0 | 72.5 | |
5月 | 53 | 7.4 | 71.6 | |
6月 | 57 | 8.0 | 67.2 | |
7月 | 64 | 9.1 | 71.2 | |
8月 | 60 | 9.3 | 70.3 | |
9月 | 49 | 8.8 | 69.9 | |
10月 | 63 | 8.7 | 68.0 | |
11月 | 52 | 8.8 | 66.6 | |
12月 | 68 | 9.2 | 67.2 | |
年間平均 | 57.42 | 8.73 | 69.79 |
ICU入室時主病名別患者数
入室主病名 | 人数 |
---|---|
急性心筋梗塞 | 30 |
CPA後/心肺停止後脳症 | 21 |
呼吸不全/肺炎 | 22 |
急性大動脈解離 | 131 |
解離性大動脈瘤 | 11 |
心タンポナーデ | 1 |
心不全/急性肺水腫 | 12 |
狭心症/冠状動脈狭窄症 | 33 |
弁膜症 | 48 |
感染性心内膜炎 | 3 |
急性腎不全/溢水 | 2 |
肺塞栓/DVT | 3 |
敗血症(ショック含む) | 15 |
ショック(上記外のもの) | 2 |
腹部/腹部大動脈瘤(ラプチャー含む) | 102 |
閉塞性動脈硬化症・下肢虚血 | 2 |
DKA | 4 |
消化管出血 | 3 |
消化管穿孔 | 20 |
中毒系 | 0 |
多発外傷 | 15 |
脊椎/頚髄損傷(外傷性) | 1 |
骨盤骨折(外傷性) | 1 |
腹腔内出血(外傷性) | 0 |
イレウス | 3 |
胃・十二指腸癌 | 13 |
大腸・直腸癌 | 17 |
肝・胆・膵癌 | 26 |
肺癌 | 25 |
その他上記外の癌 | 16 |
くも膜下出血/脳動脈瘤 | 8 |
急性硬膜下(外)血腫 | 5 |
脳(幹)梗塞・脳塞栓 | 5 |
脳内出血 | 8 |
脳腫瘍 | 5 |
その他 | 76 |
計 | 689 |
※病名はICU入室時の主病名とする
医師紹介
氏名 | 役職 | 専門医・認定医・その他講習修了 |
---|---|---|
福井 道彦 | 顧問 | 医学博士 日本集中治療医学会 集中治療専門医 日本救急医学会 救急科専門医 麻酔科標榜医 |
末吉 敦 | 院長 | 日本内科学会 認定内科医・指導医 日本救急医学会 救急科専門医 日本循環器学会 循環器専門医 「植込み型除細動器/ページングによる心不全治療」研修 修了 日本集中治療医学会 MCCRC 修了 脳梗塞rt-PA適正使用講習会 修了 認知症サポート医 |
松岡 俊三 | 副院長 | 日本内科学会 認定内科医 日本内科学会 総合内科専門医 日本循環器学会 循環器専門医 日本心血管インターベンション治療学会 認定医・専門医 日本心血管インターベンション治療学会 施設代表医 日本救急医学会 救急科専門医 植え込み型除細動器(ICD)/ペーシングによる心不全治療(CRT) 施行医 脳梗塞rt-PA適正使用講習会 修了 日本集中治療医学会MCCRC 修了 |
清水 優 | 副部長 | 医学博士 日本麻酔科学会認定 専門医・指導医 日本集中治療医学会 専門医 日本心臓血管麻酔学会 心臓血管麻酔専門医 日本周術期経食道心エコー認定 (JB-POT)認定試験 合格 日本小児麻酔学会 小児麻酔認定医 日本区域麻酔検定試験 J-RACE 合格 インフェクションコントロールドクター(ICD) 麻酔科標榜医 臨床研修指導医講習会 修了 共用試験医学系OSCE評価者認定講習会 修了 日本集中治療医学会 MCCRC受講 修了 抗菌化学療法認定医(2021年1月1日~) 文部科学省科学研究費 H29年度 科研費 研究活動スタート支援:緑膿菌性肺炎に対する分子標的抗菌薬の開発 H30年度 科研費 若手研究:MRSA肺炎に対するDDSを利用した複合抗体療法の開発 |
舛田 一哲 | 部長 | 日本内科学会 認定内科医 日本内科学会 総合内科専門医 日本循環器学会 循環器専門医 日本心血管インターベンション治療学会 認定医・専門医 日本救急医学会 救急科専門医 植え込み型除細動器(ICD)/ペーシングによる心不全治療(CRT) 施行医 脳梗塞rt-PA適正使用講習会 修了 日本内科学会認定JMECC 修了 |
自閑 昌彦 | 医長 | 日本内科学会 認定内科医 日本循環器学会 循環器専門医 日本心血管インターベンション治療学会 心血管カテーテル治療認定医 日本救急医学会 救急科専門医 日本周術期経食道心エコー 認定医 植え込み型除細動器(ICD)/ペーシングによる心不全治療(CRT) 施行医 JATECインストラクター・トレーナー JMECCインストラクター 統括DMAT |
碓井 太雄 | 医員 | 日本内科学会 認定内科医 日本救急医学会 救急科専門医 日本/京都DMAT隊員 |
田村 淳史 | 医員 | 日本内科学会 認定内科医 日本循環器学会 循環器専門医 日本心血管インターベンション治療学会 心血管カテーテル治療認定医 日本周術期経食道心エコー 認定医 日本心エコー図学会 SHD心エコー図 認証医 |
嘉祥 敬国 | 医員 | 日本内科学会 内科専門医 緩和ケア研修会 修了 JATECコース 修了 |
沢田 考平 | 医員 | 日本救急医学会 救急科専門医 |
本田 彩 | 医員 | JATECインストラクター |