「院外処方」へ移行についてのお知らせ
現在、国の方針として厚生労働省は「医薬分業」を薦めており、既に多くの病院・診療所では院外処方への移行が進んでいます。
近年高齢化社会の進展に伴い、慢性疾患や合併症など疾病の多様化から、一人の患者さんが複数の診療科や医療機関を受診するケースが増え、薬剤の多剤長期投与や同じ効能の薬の重複投与による飲み合わせや治療効果の高い新薬の開発によって副作用を起こす危険性が高くなり、医薬品の安全性確保などの問題が課題となっています。
「院外処方」は医師と薬剤師が役割を分担し、それぞれの専門家の立場から、専門知識を十分に活かすことにより、 医療の質的向上を図ることができ、患者さんがいわゆる「かかりつけ薬局」を持つことで、保険薬局では患者さんの薬歴簿を付け、複数の病院、複数の診療科でもらった薬や市販薬などの処方を薬剤師がチェックし、同時に過去に副作用が出た薬を記録することや、十分な説明と服薬指導を行うことで、患者さんの安全性が確保され、薬をより安心して服用することが可能です。
当院では既に厚生労働省が推進している「医薬分業(院外処方)」を一部の診療科では実施しておりましたが、平成26年4月1日より内服薬が7剤以上処方の方と一部の診療科で「院外処方」を実施いたします。
これまで病院内で受け取ることができたお薬を院外の保険薬局からもらうことにより、一層医薬品による安全面の改善、確保などが期待できると考えております。
院外処方のメリット
- 充分な薬の説明や服薬指導が受けられ、納得して服用することができます。
- 薬歴管理により、重複投与や相互作用のチェックが受けられます。
- 医師と薬剤師により、別の立場から処方の内容をダブルチェックにより薬に対する安全性が増す。
- 国内の薬局なら、どこでも自由に薬局を選択できる。
- 在宅医療に使用される医薬品の配達が、一部条件つきで可能になる。
院外処方のデメリット
- 医療機関と薬局の2か所に行かなければならない。
- 医療機関で薬をもらう場合に比べて、患者さんの負担額が多少増えてしまいます。
皆様にはご不便をお掛けいたしますが、何卒ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
宇治徳洲会病院 病院長